今ある都市を壊す

久しぶりに少し長めの文章を書いてみる。

街並みを壊す

「街並みを壊す」というと聞こえが悪い。
景観破壊とかいうイメージが強い。
しかし時には景観破壊が必要なときもある。
それはどんなときか?
それは景観が「破壊されたようにひどい」ときである
今の日本の都市はどこを見てもガラス張りのキラキラと輝くビルが立ち並んでいる。
「キラキラと輝く」と書けば、聞こえがいいが、
実際には「雑然とした」ビル群がそこにあるだけである。
似たような形の似たような素材でできたビルが道の両側に立ち並び、歩いていると威圧感を感じる。
こんな街並みはとてもいいとは言えない。
こんな街並みを壊すことが必要だと考える。

壊す

僕はその壊し方の一つを今回の設計課題で提案している。
僕は今、アーティストが住むビルを設計している。
このビルにはアーティストが住んで、創作活動をしている。
そして作った作品を展示して、販売もする。
このビルのはたくさんのボコボコがある。
既存の街並みを破壊するようにボコボコしている。
このボコボコ部分には作品を展示することができる。
作品を展示すると、その部分は他の部分とは違った質感が生まれる。
絵を展示すれば、そのボコボコ部分は鮮やかになる。
彫刻を展示にすれば、その部分はビルにはない立体感が生まれる。
これで既存の街並みをさらに壊すのだ。
既存のガラス張りのビルばかりが立ち並ぶ雑然として街並みを壊すのだ。

壊して、うまれて

既存の街並みを壊しただけでは終わらない。
それにより全く新しい街並みを生み出さなければならない。
壊した瓦礫の山から、何かを生み出す。
生み出したものは都市に影響を与える。
その影響により都市にまた新しいものが生まれる。
僕はこの連鎖を生み出したい。