建築に曲線は必要か

近頃、建築タグと考察タグを乱発しているような気がする。
気にしないでおく。
「きにしないでおく」が「木にしないでおく」と変換されたことも
気にしないでおく。
 
最近、ふと考えた。
 
建築に曲線というのは必要なのだろうか。
 
近頃の建物は、やたら曲線が多い。
屋根にだけではなく、壁にも曲線が使われている。
卒業作品展とかに行っても、クネクネしまくった建物がよくある。
こういった建物はたいてい
柔らかさ・柔軟さ
自然と一体となった
などをコンセプトに設計されている。
そして、それらは斬新なデザインの建物として紹介されることが多い。
 
僕はそれら曲線を多用した建物というものの存在に疑問を感じる。
柔らかさとか、自然との一体感というものは曲線を多用しなければ表せないようなものなのか。
図面や模型の上ではクネクネしている方が柔らかそうな感じもする。
でも、実際の建築は図面や模型だけの代物ではないはずだ。
四角い建物であっても、それをどのような素材で作るかによっては、
クネクネしたものよりも柔らかな感じが出せるかもしれない。
壁をクネクネさせなくても、窓の配置、窓の形次第ではそれらの表現が可能になるかもしれない。
 
僕は曲線を使ってはいけないとは思っていない。
曲線はデザインのうえで大きなアクセントとなる。
古代のエルトリアからローマに伝わったアーチの技術は今でもなお生き続けている。
アーチの曲線は合理的であり、美しい。
でも、それを多用するという事に疑問を感じるのだ。
曲線の多用というのは、曲線以外で表現できるかも知れないという
四角い形や材料などの持つ可能性を破壊しているのではないかと思う。
 
雑誌なんかに載っている無駄に曲線が多い建物を見て、
どこか不自然さ、息苦しさを感じた。
その原因はおそらく、僕が曲線にこういう考えを持っているからだと思う。
眼鏡橋
眼鏡橋 posted by (C)ELB-S
こういうきれいな曲線は好き。