算数といふもの

算数は難しい。
こういうと、ほとんどの人が
「なんでー!?*1
という。
確かに算数というものは、数学を学んだ身にしたら、非常に簡単である。
しかし、簡単であるから難しいという矛盾した状態にあるのである。


まず、算数に数学の考え方は使えない。
未知数をxとすることはもちろんできないし、三平方の定理も使えない。
何より不便な事は「−(マイナス)」を使えないことである。
2+3−4=2−1=1
とできるところを、
2+3−4=5−4=1
としなければならない。
これが、もっと長い式になったときは、マイナスを使えないことを恨む限りである。


数学の知識を使い、算数の問題を解くなど、赤子の手をひねるより簡単なのである。
しかし、それらの知識を使わずに、解くとなると、これが一気に難しくなる。


教える側にすれば、xとかyとかいう文字を使いたいわけだ。
しかし、小学生相手にそんなことできない。
それらの文字を使わずに、いかにきれいな解答を作るかというのは、
頭のひねりどころである。


そして、小学生からくるいくつかの質問に、
算数の知識では、少々答えにくいものがある。
彼らにすれば、それは素朴な疑問なのであろう。
数学の知識を活用すれば、難なく説明できることも、
それを使わずにとなると、想像以上に難しい。


自分の中で分かっていること、理解していることを
自分がしっかり理解した上で、分かりやすく伝える。
このことは自身の理解を高めることに繋がっているのではないだろうか。
ある学問をそれを知らない人に分かりやすく教えると言う事は、
それ自体が一種の学問なのかもしれない。

*1:!?か?!か順番に悩む