ライトノベルも面白い

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア』というライトノベル
ライトノベルだけどあなどれない。
この物語のキーワードにクオリアや量子、平行世界などというものが登場する。
これらは哲学や科学の世界の重要キーワードである。
この超専門的なキーワードがこの物語の独特な世界観を生み出している。
以下、若干のネタバレあり!
この話は、自分以外の人間がロボットに見える少女を軸として回っている。
主人公はこの少女の親友である。
この自分以外の人間がロボットに見えてしまう少女は、
その特異な能力のために死んでしまう運命にある。
主人公はこの少女の運命を何としてでも変えようとあらゆる手を尽くす。
この「あらゆる手の尽くし方」が僕の想像をはるかえに超えていた!
主人公はなんと平行世界(パラレルワールド)にいる自分との連絡手段を持っているのだ!
無限にいる「平行世界の自分」が少女を助けるためにありとあらゆる手段を講じる。
だが、どんな手段を用いても、主人公は少女を助けられない!
なぜだ!
・・・・・・・


「平行世界」なんて言うと、子供だましのおとぎ話のように聞こえる。
しかし、この物語では、上にあげたいくつかのキーワードにより、
現在の科学や哲学から見た「平行世界」という観点を与える。
この観点により、リアリティのある独特の世界に引き込まれてしまうのだ。


クオリア」や「シュレディンガーの猫」に興味がある人には是非読んで欲しい!
そういう本。